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Mainline Riders / Quartz (火薬バカ一代)
Quartz (火薬バカ一代)


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Mainline Riders / Quartz
重々しく刻まれるGリフといい、重厚な曲調や後半テンポアップする曲展開といい、
(指摘通り)まさしく“HEAVEN AND HELL”の原型的な名曲。
Voもロニーとオジーのちょうど中間ぐらいの声質で。

火薬バカ一代 ★★★ (2025-05-01 23:11:55)


Quartz

様式美BLACK SABBATHを支えた陰の功労者、故ジェフ・ニコルズ(Key)が在籍していことでも大事なバンドQUARTZが、BLACK SABBATHのトニー・アイオミにプロデュースを依頼し(結構ノリノリでアルバム作りに協力してくれたらしい)'77年に発表した『クォーツ・デビュー』なる新作腕時計の宣伝文句みたいな邦題が冠された1stアルバム。
彼らに関しては2nd『STAND UP AND FIGHT』(’81年)でその存在を知ったこともあり、てっきりNWOBHM集団に属するバンドだと思っていましたが、実際は結成時期が60年代まで遡る超ベテラン。なので本作に託されているサウンドにヘヴィ・メタリックな切れ味や疾走感は然程でもなく、寧ろ全体をベールのように被う薄暗さやシケシケ感等、兄貴分のBLACK SABBATHに薫陶を受けた70年代HRテイストが色濃く滲む仕上がりとなっています。一方で単なるサバス・フォロワーの地位に甘んじてはおらず、燻し銀のVoが歌う、愁いを湛えたメロディを携えて重厚に展開されるOPナンバー①なんて“HEAVEN AND HELL”を先取りしてしまったかのような名曲ぶりですし、後に続くKey/フルート/アコギを有用した、ちょいプログレ風味も入ったアレンジが初期MAGNUMを思わす②も最高。キャッチーなブギー③、ポップな序盤からシリアスに熱量を増していく④、ファズの効いたGが暴れ回るヘヴィな⑤…と続いた時点で、個人的には本作の完成度を確信するには十分過ぎるぐらいでしたよ。
新人バンドのフレッシュさとは無縁かもしらねど、代わりにこれがデビュー作とは思えぬベテランばりの貫禄と風格に痺れる一作です。(というか実際既に10年選手なんですけども)

火薬バカ一代 ★★★ (2025-05-01 00:31:10)


On the Edge of No Tomorrow

2017年にこの世を去ったジェフ・ニコルズ。生前のインタビューでは、彼がいかにブラックサバスに貢献していたかを知ることが出来る。多くのライブをでプレイ、演出面もさることながらメンバー間の緩衝材になっていたという逸話は興味深い。またキャリアの浅いトニー・マーティンに寄り添ったり、アイオミ不在、ギーザー不在(ジーザーじゃないよ)時のレコーディングなどではジェフが繋ぎをしていたとか、あらゆる場面で貢献したのだが最後まで正式メンバーとして認められなかった男、歌メロは勿論だが作詞に作曲でクレジットされても、おかしくないという話があるのだが、まぁ、本当の事はわかりません。ビジネスの世界なんで、やはりキーボードプレイヤーが正式にいるというのはサバスでは難しかったのかもしれません。

今作には、そのサバスで培った世界観を存分に味わえるでしょう。生前に残したジェフのテイクを、ミック・ホプキンスが丁寧に紡ぎ完成させたと言われる力作。そのサバスティカルな感性はジェフを始め、デビッド・ガーナー、ジェフ・ベイトという歴代シンガーが集結、そしてトニー・マーティンまで歌入れを行い、このジェフ・テイトをあの世から呼び出し作り上げたレクイエムアルバムに献花するかの如く、渾身パフォーマンスを披露してくれた。

70年代の前半から活動していた彼ら、大半のメンバーが70代中盤だろう。凄い話である。ヘヴィでハードなサウンドを、これほどの高齢者が本気で鳴らしていると思うと、ワタクシなんて小僧である。あっち痛いコッチが痺れるなんて言ってられないね。

今作は正に70年代に刻んだバンドサウンドが見事に継承されている。混じりっ気無しの混沌としたサバススタイル。ただのモノマネではない。あの時代の空気を吸い込み、自らのルーツとして刻まれたグルーブ。マルコム・コープとデレク・アーノルドのコンビはえげつないくらい絶妙なコンビネーションで幻惑する暗黒リズムを浴びせてくる。アイオミよろしくなギターワーク。これぞQUARTZと呼びたくなる。

⑨なんて歌声も含めオジー・オズボーン時代のサバスを思い出さずにはいられないだろう。ジェフ・ベイトのパフォーマンスには、明らかにオジー・オズボーンを連想させるモノがある。⑪も完全に狙いに言っている。それはアルバム全体に漂っている話なのだが、この手の盤で14曲は少々多いと思うマニアもいるだろうが、1時間チョイの魔空間は消して退屈な時計を刻みはしない。このバンドのルーツたるスタイル。根暗な地獄のバーミンガムロックが好きなマニアにはたまらんでしょう。

それに11曲目に出てくるWhat Love Isはアルバムの中ではトップクラスの聴きやすい曲であり、絶妙なタイミングで出てきて中和する。旨いことやったなぁと思う。デビュー作にジェフ・ニコルズはいたが、NWOBHM期にリリースされたアルバムにジェフはクレジットされていない。

またNWOBHM期のデビューは最初期のNWOBHMバンドと捉えられた向きもあるので、このバンドの評価は、どの時代にフォーカスするかで大きく分かれるであろう。熟成された初期の音楽性。時代に左右されず、いや今だからこそ、やりたい事をやれるのでしょう。

明日なき崖っぷちと訳されるアルバムタイトルの秀逸ですね。

失恋船長 ★★★ (2025-04-23 18:09:46)