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Vengeance (2001年)
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Vengeance
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解説 - Vengeance
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コメント・評価

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1. cri0841 ★★ (2025-11-02 15:17:18)

ギリシャのパワーメタラーの2001年発表の1st。DREAM EVILやFIREWINDの前にガス.Gが在籍していた。
まだ無名時代ですね。

何の変哲も無い正統派パワーメタル。オーソドックスだが骨太。ヴォーカルは声域が狭く
不器用だが漢気は感じる。ガス.Gのギターは実力の片鱗は充分感じる。曲作りは上手い。
日本人好みとはおおよそ言えない作風だが、いいものはいい。最後の曲『Fallen Angel』は白眉。




2. 失恋船長 ★★★ (2025-11-07 06:12:15)

プログレメタルとも呼べるサウンドで活動していたValley's Eve。そのシンガーだったR.D.リアパキスとマーティン・アルブレヒトらが中心となり立ち上げたのが、このバンドになる。リリースは2001年、当時は無名だったコンスタンティノス・カラミトルーディス、のちにガス・Gの通名で活躍する、ギリシャ人ギタリストを見つけたのが、このバンドにとっては大きな意味を持つだろう。バンドが掲げる濃密な世界観、ヘヴィでダークな曲調は熱唱型ヴォーカルが閉塞感を打ち破るが如く鋭い剣を振りかざす。

リアパキスの表現力の豊かさ、それがこのパワフルなサウンドと見事に対峙。そりゃそうだ、プロデューサーにミキシング、果ては曲作りも担当とやりたいをやり切っている。彼の熱い歌声なくして、このバンドサウンドは成り立たない。緩急をつけ一本調子にならないように意識している、ロイ・カーンから憂いを取った感じと言えばいいのか、ジャーマンメタルらしい男気に引き寄せられる。適度にキーボードも活用するのはValley's Eveの名残なんだろうが、ヘヴィに打ち鳴らされるリズムのの圧、そしてギターサウンドは刻まれるヘヴィでパワフルなリフの嵐、生真面目なジャーマンスタイルとUS王道パワーメタルの融合ともいうべき力強さ、このバンドは多彩なギターワークを披露した新人を見つけた時点で勝ちだった。

勝利の凱歌を上げるが如く、縦横無尽に駆け巡るギターワーク、リフは勿論だが稀代のシュレッダー、ガス・Gの本領発揮ともいえるソロを聴かせたりと、ありがちなパターンにならない天賦の才を発揮、鈍色に光る欧州メタルの色彩を決めるのはガスだし、プロデューサーの手腕によるところが大きい。

でもこのバンドの軸はリアパキスだ、彼の男気溢れる歌をメインに楽曲を積み上げている。マイナーなレーベルからリリースしたデビュー作。2003年にはNuclear Blastから再リリース。正統派メタル冬の時代によくぞやってくれたと、マニアを歓喜させたバンド。日本では2005年にキングのネクサスからリリースされている。BURRN!誌の評価は何となくわかったが、一曲たりとも、ありがちなアプローチを行っていないのがポイント。

この4人にはマジックが存在したという事なのだろう。ザクザクと刻まれるリフはスラッシュメタル一歩手前、中途半端なモダンに手を出したバンドをすべて駆逐する破壊力がある。華麗なリックを合間に挟んだりと本当に魅力的だ。無名ながらマニアが凄いリードギタリストがいると話題になったのもうなづける。ちなみに話題になったの2001年である。

久しぶりに聴いたが、リリース当時よりも感触はいい。2011年にはポーランドのMetal Mindが2017年にはMassacre Recordsがボートラ追加のリマスター盤を世に送り出してきた。それだけメタルマニアに愛される名作なのだが、ドイツ人がジャーマン臭さよりもワールドワイドな感性を大切にしたスタイルは、柔軟な発想と明確なコンセプトを持っているからだろう。

熱きメタルスピリット。懐の深さに驚く。これがデビュー作ならばキャリアのあるメンツが脇を固めた事が功を奏したのだろう。まぁのちにガス・Gが有名になるので、なにかと取り沙汰れることにもなるのですが、表情が豊かな楽曲と歌声を軸にドラマが展開するので飽きさせない。しかし、味付けは濃いめなので聴き終えた後の徒労感は否めない。

その濃密さが最大の売りだろう。ポップでキャッチーでシュラガースタイルを基調とする子供っぽいハロウィーン系が苦手なので、このバンドが見せつける世界観は実に魅力的だ。USパワーメタル系が苦手な人には退屈に感じるだろうが、あの力強さがたまらんと共感できるマニアならば、このバンドが秘める魅力に引き寄せられるでしょうね。

キーボードを使い緩急をつけシンガーが優しく語る、あの手口。裏でベースがなりギターも柔和な表情を見せたかと思えば切り切り舞いに乱刀だもんだぁ。圧巻ですね。圧倒されますね。この作品から彼らは現在まで12枚のスタジオアルバムをリリース。欧州型のシンフォニック系ではなくUS産の閉塞感に満ち溢れたパワフルなスタイルに軸足を置いているのが個性を光らせている。次のアルバムはもっとガス・Gが活躍するしメロディアスさを際立たせていた。そういう意味でも今作は絶妙だ。

だから今作が最高傑作だというマニアの声が強いのだろう。まぁワタクシのような歌モノを聴いて喜んでいるなんて軟弱ですからねぇ。ジョーイ・ディマイオ閣下からは斬首の刑を言い渡されるでしょう。それくらい筋金入りのマニアを受け止めたのが2001年だったという事なんでしょう。確かにあの時代に、グロウルやらんのは稀有だもんねぇ。



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