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The Longer You Can Wait / The Alex Parche Project (火薬バカ一代)
The Alex Parche Project (火薬バカ一代)


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The Alex Parche Project
テイチクのメタルマニアから国内盤も出ている、ドイツロック界の黎明期を支えた1人と知られているらしいのだが、日本では英米のライターがドイツの音楽をクラウトロックとバカにしていた時代があり、それを意識して適切に扱ってこなかった時代がある。
それ故に、彼の存在はほとんど伝えられてこなかったのだが、正統派メタル冬の時代に、日本のレーベルは本気出して、メタル系の音楽を探していたのでしょうか?遅れてきたルーキーとして、彼の存在が日の目を浴びる事となります。

かく言うワタクシも彼を知ったのは10年位前で、ウド・ダークシュナイダーの副業を調べていたらヒットしたという程度です。そしてアレックスの過去を調べると、ワタクシの興味にピタリとハマり深掘りするのですが、今作に参加したウドを始め、レオン・ゴーウィー、フェルナンド・ガルシア、テッド・ブレット、アマゾネという顔ぶれを見ても、その人脈の広さを垣間見ます。


彼のルーツにどの程度、メタルの素養があるのかは分かりませんが、多様な楽曲を用意、○○風味もあるのだが、ネオクラ風味のインストから変わり種は勿論、オーセンティックなサウンドまで、割と聞きやすい楽曲が中心で、4分を切るコンパクトな楽曲が多いので視聴感も高い、キーボードの使い方がポップスよりというか、欧州エレポップなのが、その役割を果たしている。

ある意味、メタル初心者にとっては、とても聴きやすい部類のバンドなんですね。超絶売れたメジャーロックよりも、マイナー調のメロディと大衆性を完備した奇妙なマッチングを高次元で達成した⑦あたりを是非とも聴いて欲しい。チェロの音色に導かれるパートなどグッとくるだろう。その流れを壊さない⑧のイントロは日本人の心に響く演歌チックな魅力もあり、後半メジャーに展開する曲調はやっぱり聴きやすい。

ちなみに女性シンガーのAmazonさん、今最も検索出来ない名前を持つ不幸な女性シンガーなのだが、元々はポップ系のシンガーでデビュー、その後、フルアルバムをリリースしている。現在は何をやっているのかは分からないが80年代に活躍した女性シンガーだ。ちなみにアルバムの方はメタルバブルも意識した、これまた大衆性を完備したゴキゲンなロックをやっている。

哀愁のメロディと大衆性を完備した、嫌味の無い売れる要素も高い欧州型のハードサウンド、無駄なアレンジを排して聴きやすくまとめているが、けして軟弱に成り下がっているのではない、これがアレックスのルーツなのかも知れないと思わせるのが最大のポイントだろう。

失恋船長 ★★★ (2025-05-03 04:48:07)


The Longer You Can Wait / The Alex Parche Project
バラードとまではいかないまでも、演歌に通じる泣きのメロディを
たっぷりとフィーチュアした叙情HRナンバー。歌うはウド・ダークシュナイダー。
金切声のイメージが強い御仁ですが、ここではシンガーとしての実力を
存分に発揮して、楽曲をエモーショナルに盛り上げてくれています。

火薬バカ一代 ★★★ (2025-04-29 23:24:45)


The Alex Parche Project
グラサンかけた禿頭のオッサンが、ギターを構えてニッコリ微笑むジャケットだけ見ると俄かには信じ難いかもしれませんが、かつて輸入盤市場において「掘り出し物の作品がある」と高評価を獲得し、少し遅れてテイチクから国内盤のリリースも実現しているTHE ALEX PARCHE PROJECTが'93年に発表した1stアルバム(邦題は『ファースト』)。
中心メンバーはドイツ人ギタリストのアレックス・パーチ(今何やってんだろと調べてみたら'09年に肺炎で亡くなられていて驚いた)。当時は名前すら知らなかったのですが、参集したACCEPT~U.D.O.のウド・ダークシュナイダー、THUNDERHEADのテッド・ブレッド、VICTORYのフェルナンド・ガルシア、VENGEANCEのレオン・グーヴィ、謎の女性シンガー、アマゾン(仮面ライダーか)といった錚々たるゲスト・シンガーの顔触れからも、本国において確固たるキャリアを築いてきた御仁であることは一目瞭然(ZED YAGO~VELVET VIPERのユッタ・ヴァインホールドとBRESLAUなるバンドをやっていた時期もある模様)。
クラシカルな味わいを湛えたインスト⑥みたいな楽曲もあるものの、基本Gテクの披露より楽曲優先の姿勢が徹底されており、ゲストの助力も得て書き上げられている収録曲は、キャリアに裏打ちされた作曲術の冴えが伺える仕上がり。特に印象的なGリフが踊る哀愁のメロディアスHRナンバー①、正統派HMをテッドに歌わせるという人選がナイスな疾走ナンバー③、ウドの特徴的な歌声もあってまるでU.D.O.&ACCEPTな④と、イントロから演歌にも通じる猛烈な泣きを発散する⑦辺りは一際強い印象を受けた逸曲に仕上がっていましたよ。
同路線の2nd『SON OF A HEALER』共々、もし見かけたら一聴をお薦めする良盤です。

火薬バカ一代 ★★★ (2025-04-28 23:10:30)