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Power From the Universe / BATTLEAXE
失恋船長 ★★★ (2025-06-20 02:09:16)
オープニングナンバーからしてカッコいいですね。NWOBHMを通ったマニアならばグッと掴まれるでしょう。これがダメならメタルを聴いてもつまらないでしょうね。ロックバンドの持つ武骨なパワー、そのパワーを内包した楽曲はどれもが魅力的。80年代型メタルならではの美点が詰まっています。
まだメタルバブルが始まる前なので妙なメジャー感を出して若い娘達に媚びを売っていないのがポイント。

前作の荒削りなパワー、あの破天荒さが今作には欠けているが、それは成長の証として捉えられるかがポイント。クサレジャケも含め、あのインパクトは凄かった。今作はリフ一つとっても親しみやすく、メロディに気を配っている。それは歌メロの練り込み具合にも現れており、多くのロックアンセムを量産している。

ゆっくりと立ち上がり世界チャンピオンに向かう挑戦者のような、今作に賭ける思い。その普遍的なサウンドに磨きを掛け、良い意味でメジャー感が増している。スピードナンバーがもっと欲しいという声もあるだろうが、名曲①のインパクトは強く、その余韻を楽しんでいる間に、④が登場。小手先のテクニックではない、自肩の強さを見せつけた6分を越えたドラマ。その叙情性を高めたメロディとシンプルパワーロックを軸に、リングに向かう挑戦者のような高揚感と緊張感を感じさせてくれる。まぁ歌詞の世界観は全く別もんなんですが、ワタクシは英語は全く何で、ましてや洋楽を何十年も聴いていますが訛なんて全然わかりまへん。減量苦から、深夜部屋を飛び出し、うどんの屋台に飛び込むマンモス西です。

表題曲も小気味よいリフと大らかなリズム、ビックコーラスを従え派手にぶっ飛ばしてくれましたね。AC/DCタイプのロックが日本では人気なしなので、まぁねぇセンスなんですけどね。

再発された後は、1987年にレコーディングした4曲が追加されています。
Killer Woman
Radio Thunder
My Love's On Fire
Love Sick Man


⑨曲目にあたるKILLER WOMANがカッコイイ。洗練されているんですよね。そのパワーと疾走感、そこに嫌味にならないメジャー感をまぶしメロディアスに仕立てた王道ロックは実に心地良い。本編に今作があれば評価も違うのでしょうが、時代でしたね。
このバンド、1987年に力尽きてしまいます。セールス的な面で苦戦もしたのでしょうが、1994年に我が国が世界に先駆けCD化を果たした事を考えると売り上げたランキングに頼る愚者には発見出来ない、豊かな音楽性を感じとれるでしょう。ちなみにボートラが収録されているのは、2014年に
Steamhammerから出たヤツです。

サブスクで気軽に試聴できますので無理にお金を出す必要も無いのでご安心ください。

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