この曲を聴け! 

Epica / KAMELOT
すいません ★★ (2004-01-11 13:53:00)
②を聴いただけで「このアルバムは高品質だ、マチガイナイ」との予感を持ち、何曲か聴いているうちにその予感は確信へと変わり、聴き終えた時には満足感に浸ることが出来ます。付き出しの小鉢(という呼称が正しいのか自信ありません)を食べただけで料理人の腕が分かる、高級な京懐石を食べているようです。曲を曲を分断する境界石を乗り越える音世界の流れのサラサラ感には脱毛。感動のあまり毛も抜けてしまいます。
そして、再度アルバムの頭から聴きはじめると、①~②の流れがまさに物語の始まりを感じさせてくれ、ワクワク感を味わうことが出来ますね。これが堪らない。
カーンのソフトなのにハードにも聴こえる歌声は勿論素晴らしいし、メロディを大事に紡ぎだしながら弾いているギターもテクニカル過ぎず、適度にヘビーで気持ちが良いですね。音質も非常にクリアで素晴らしい。
一曲一曲が充分にドラマティックであり、アルバム全編を通しても極めてドラマティック。佐々岡(広島)のストレート・スライダー・縦のカーブを織り交ぜた投球術を髣髴させる緩急のつけ方が秀逸ですね。
ゲーテや彼の作品であり「ファウスト」のことはよくわかりませんが、純粋に「曲の良さ」と「歌詞(の語感)とのシックリ感」が気持ち良いと感じます。また、歌詞の内容を理解しなくても何となくコンセプトアルバムだと判るのが不思議です。先入観がそうさせているのかも知れませんが。
とはいえ、そのコンセプショナルな歌詞の世界を理解したらもっと楽しめるかもしれない、と思うのも事実。ゲーテを趣味とし生きる親戚に聴かしてみました。ちなみに彼はなんとあの東京大学卒業。つまりはゲーテにかなり詳しい男です(彼の蔵書を見せてもらった時は度肝を抜かれ、思わず「本屋!」とツッコミになっていないツッコミをしてしまいました)。
……で、反応は素っ気なかったです。悪くないね、といった程度。メタル愛好者ではないので仕方がないことかもしれません。歌詞カードも読んでもらいましたが、ほぼ無反応に近くてちょっとガッカリしました。「ファウスト」の内容も噛み砕いて教えてもらいましたが、殆ど忘れてしまいました。確か「殺人が主人公で悪魔は命をファースト清原」みたいな感じだったと思います。
彼と話した中で意見が一致したのは「この人(トーマス・ヤングブラッド)は、目つきが悪すぎやしないか。まるで喧嘩を売っているようだ。もしかして近視なのかもしれない」という点だけでした。
ちなみに最近、この「EPICA」を子守唄にして床についていたのですが、ついつい聴き込んでしまい、かなりの寝不足気味です。今晩からは村治香織の「GREENSLEEVES」を子守唄にしようと思ってます。この作品も凄く良いんですが、これはまた別の話なのでこの辺にさせていただきます。
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